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競技中
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競技中
競技会が始まったならば、委員会はプレーヤーが規則に基づいてプレーするために必要な情報を得ていること、また規則を適用する支援をすることに責任があります。
A

スタート時

ラウンドをスタートする前に、プレーヤーに規則に基づいてそのコースをプレーすることができるために必要なすべての情報を提供しておくべきです。 ストロークプレーでは、各プレーヤーにスコアカードを手渡すべきであり、ステーブルフォード、最大スコア、フォアボールなどのネット競技では、スコアカードに委員会が設定したハンディキャップストロークインデックスの割り当てを記載すべきです。 委員会が追加の文書を用意している場合、ラウンド前に、可能であればプレーヤーがそうした文書を読む合理的な時間が持てるように最初のティーに到着する前にプレーヤーが入手できるようにしておくべきです。そうした追加の文書は次のものを含みます:
  • ローカルルール。
  • プレーのペースの方針。
  • 行動規範。
  • 避難計画。
委員会が利用できる人員に応じて、委員会はそうした追加の文書をプレーヤーが読むために一ヵ所(例えば、掲示板やデジタル通信方式)で閲覧できるようにすることを選ぶことができます。あるいは、ラウンドを始める前に配布資料としてプレーヤーに手渡すコピーを用意することもできます。 人員が許せば、委員会はスタートティーのスターターにプレーヤーが必要なすべての情報を得ていることを確認させてから時間通りにスタートさせるべきです。 その組のスタート時間となった場合、スターターは決められた時間に最初のプレーヤーをスタートさせるべきです。前の組の進行具合によって(例えば、球捜しで遅れているときなど)時間通りにスタートさせることができない場合、委員会がプレーのペースの方針を適用するときの情報として使うことができるように、その組が実際にスタートした時間を記録しておくべきです。 委員会はプレーヤーが最初のティーに遅れて到着した場合の状況を扱うための一貫性のある方法を採用すべきです。その方法には、委員会のメンバーや他の人たちに姿を見せないプレーヤーを探してもらったり、そのプレーヤーがどの時点でスタート時間に遅れたことになるのかをすべての人に明確にするように、すでに到着している他のプレーヤーたちの前でカウントダウンさせたりすることを含みます。ティーの近くに公式時間に合わせた時計を置き、すべてのレフェリーが各自の時計を同じ時刻に合わせておくことがよいでしょう。
B

コース

(1)
ラウンド中のコース管理作業
すべてのプレーヤーが同じコンディションでプレーできるように最初の組が各ホールに到達する前にコース上のすべてのコース管理作業を終了させることは望ましいことですが、そうしたことが可能ではない場合もあります。コース管理作業(パッティンググリーン刈り、フェアウェイやラフ刈り、バンカーならしなど)がラウンド中に行われる場合でもその競技の結果はプレーされた通り成立します。 委員会は競技が始まる前に修理地としてマーキングすることが正当化されるすべての区域をマーキングしておくことを試みるべきですが、プレーが始まるまでにそうした区域に気づかない場合もあります。また、天候、車両、プレーヤー、観客がコースへの更なる損傷をプレー中に生じさせることもあります。そうした場合、委員会はその区域を修理地とマーキングすることに決めることができます。ある区域を修理地としてマーキングするかどうかの判断は、プレーヤーがすでにその区域からプレーしていたかどうかに関係なく行われるべきです。
(2)
ホールロケーションとティーイングエリアを定める
ストロークプレー競技では、すべてのプレーヤーは同じ場所に設置されたティーマーカーとホールロケーションでそのコースをプレーすべきです。委員会は組があるホールをプレーした後でティーマーカーやホールを動かすことを避けるべきですが、そうすることが避けられない場合や間違って誰かによって動かされてしまう状況もあるでしょう。 a. ラウンドが始まった後でティーイングエリアが使用できなくなる ラウンドが始まった後になってティーイングエリアが一時的な水で覆われたり、他の何かしらの理由のために使用できなくなった場合、委員会はプレーを中断するか、著しく有利や不利になるプレーヤーがいないのであればティーイングエリアを再配置することができます。b. b. ティーマーカーやホールが動かされる ティーマーカーやホールがコーススタッフの一員によって動かされたり、ティーマーカーがプレーヤーや他の誰かによって動かされた場合、委員会はそのことで著しく有利や不利になったプレーヤーがいたかどうかを判断すべきです。著しく有利や不利になったプレーヤーがいた場合、通常そのラウンドを無効と宣言するべきでしょう。コースが大きく変えられることはなく、著しく有利や不利になったプレーヤーがいなかった場合、委員会はそのラウンドを成立させることを選ぶことができます。 c. ホールの位置が厳し過ぎるという理由でそのホールの位置を動かす ストロークプレーで、傾斜のせいで球がホールの近くには止まらない場所にホールが設置されていること、またそのことで数名のプレーヤーが過度のパット数を要する結果となっていることがラウンド中に明らかになった場合、委員会にはいくつかの選択肢があります。 委員会はすべての要素(そのホール位置がどれくらい厳しいのか、何名のプレーヤーがそのホールのプレーを終了しているのか、そのホールはラウンドの何番ホールなのかを含む)を考慮し、すべてのプレーヤーにとって最もフェアと思われる方策を取るべきです。例えば:
  • その競技会のすべてのプレーヤーについてコンディションは同じであるという理由からそのホールの位置を変更せずにプレーを続けさせる。
  • そのホールを同じ位置のままとするが、状況を改善するために何らかの行動を取る(各組のプレーの合間にパッティンググリーンに散水するなど)。
  • そのラウンドを無効と宣言し、そのホールを再配置してすべてのプレーヤーにそのラウンドを再スタートさせる。
  • プレーを中断し、そのホールを再配置し、そのホールをすでにプレーしていたプレーヤーたちをラウンド終了後にそのホールに戻して再プレーさせる。再プレーしたプレーヤーたちのそのホールのスコアは、そのホールが再配置された後にプレーしたスコアとなる。
  • すべてのプレーヤーの問題のホールのスコアを無視して、そのホールのスコアとするための別のホールをプレーさせる(競技会の行われているコースであるか別のコースであるかは問わない)。
最後の2つの選択肢は一部あるいはすべてのプレーヤーのラウンドを変更することになるので、非常に厳しい状況においてのみ選ぶべきでしょう。 マッチプレーでは、委員会はマッチとマッチの間でホールの位置を動かすことができます。 d. 球がすでにパッティンググリーン上のホールの近くに止まった後でホールを再配置する ホールが損傷したときに球がパッティンググリーン上にあった場合、委員会はその損傷したホールが定義「ホール」に適合するようにそのホールを修理することを試みるべきです。 それができない場合、プレーヤーはホールが損傷した状態のままでそのホールを終えることができます。委員会はその後にそのホールをプレーしている次の組の前にホールを移動させる必要があるのかどうか(例えば、その損傷がプレー中に悪化する可能性がある場合)を評価することができます。ホールを移動させる必要がある場合、そのホールが元々あった場所と同じ挑戦を与えるように近くの似たような場所、理想的には元の場所からできる限り離れないように移動させるべきです。 その組のすべてのプレーヤーがそのホールのプレーを終える前にそのホールを再配置することは望ましくありません。しかしながら、その組がそのホールを終えることができるのに必要な程度にそのホールを修理することができず、適切なゲームのプレーのためにホールの再配置が必要であれば、委員会は近くの似たような場所にホールを再配置することができます。そうした再配置がその組のすべてのプレーヤーがそのホールを終える前に行われる場合、委員会はパッティンググリーン上に球があるプレーヤーについて、前のストロークの結果として当初その球が止まった場所(再配置前のホールとの位置関係)に相当する場所に自分の球を動かすように要求すべきです。パッティンググリーンの外にある球について、委員会はその球をあるがままにプレーするように要求すべきです。
C

プレーヤーに規則の支援を与える

委員会は競技会の運営を支援するレフェリーを選任することができます。レフェリーは事実問題を決定し、規則を適用するために委員会によって指名されたオフィシャルです。
(1)
レフェリーと委員会のメンバーの任務と権限
定義「レフェリー」で詳しく規定されている通り、マッチプレーのレフェリーの任務と権限はその割り当てられた役割によります。一方で、ストロークプレーでは、レフェリーは自分が目にしたり、報告されたすべての規則違反に対応する責任があります。 レフェリーが1つのマッチに割り当てられているのかどうかに関係なく、事実がその時に相手に知られ、時間内に要請がなければ、レフェリーは裁定の要請に関して行動することはできません。一部のレフェリーまたは委員会の一部のメンバーの役割を制限することについては詳説「委員会/1」を参照。
(2)
レフェリーがプレーヤーに規則違反を承認する
レフェリーの裁定は最終となるため、レフェリーが誤ってプレーヤーが規則違反をすることを承認した場合、そのプレーヤーが罰を受けることはありません。しかし、その誤りを訂正することができる状況について規則20.2dセクション6C(9)6C(10)を参照してください。
(3)
レフェリーが規則違反をしようとしているプレーヤーに警告する
レフェリーは規則違反をしそうになっているプレーヤーに警告する義務はありませんが、プレーヤーが罰を受けることを防ぐために、それが可能な場合であればストロークプレー(マッチプレーでは、レフェリーがそのラウンドを通じて1のマッチに割り当てられているときは)では、プレーヤーに警告することを強く推奨します。この推奨に従って規則違反を防ぐために規則についての情報を自発的に提供するレフェリーはすべてのプレーヤーに等しくそうすべきでしょう。 しかし、レフェリーがラウンド全体について一つのマッチに割り当てられていないマッチプレーでは、レフェリーはマッチに介入する権限がありません。要請された場合を除き、レフェリーはプレーヤーに警告すべきではありませんし、プレーヤーが規則違反をした場合でも相手が裁定を要請していないのであればその罰を課すべきではありません。
(4)
レフェリーの裁定に同意しない
マッチプレーやストロークプレーでプレーヤーがレフェリーの裁定に同意しない場合、通常そのプレーヤーは別のレフェリーや委員会からセカンドオピニオンを求めることができません(規則20.2a参照)。しかし、そのレフェリーが自分の裁定に疑問がある場合には、セカンドオピニオンを得ることに同意することができます。 委員会はレフェリーの裁定に同意しない場合、セカンドオピニオンを求めることをすべてのプレーヤーに常に認める方針を採用することができます。
(5)
正しい情報をレフェリーに提供するプレーヤーの責任
レフェリーは裁定を行う前に状況の事実を決定するためにプレーヤーの援助に頼ることがよくあります。これらの状況で、プレーヤーはレフェリーが裁定を行うことができるようにそのレフェリーに正しい情報を提供するために最善を尽くす必要があります。 委員会に追加の情報が寄せられ(例えばビデオ検証)、与えられた裁定が間違っていたことが発覚した場合、委員会がとるべき行動はそのプレーヤーが正しい情報をレフェリーに提供するために最善を尽くしていたかどうかによります。 プレーヤーが最善を尽くさず(例えば、故意にフェリーに誤解させるコメントを与えたり、故意に情報を与えなかったり)、その結果、レフェリーがプレーヤーに誤所からプレーするように指示した場合、委員会はその問題となったホールについてそのプレーヤーが規則14.7の違反をしたとその裁定を訂正するべきです。レフェリーが適用されるべき罰をそのプレーヤーに課していなかった場合(例えば、プレーヤーがストロークに影響を及ぼす状態を改善していた場合)も同様です。委員会はそのプレーヤーを規則1.2aに基づき重大な非行に対して失格とすることも検討するべきです。委員会はそのプレーヤーを規則1.2aに基づき重大な非行に対して失格とすることも検討するべきです。 しかしながら、プレーヤーが正しい情報を提供するために最善を尽くし、レフェリーがそのプレーヤーが提供した情報のすべて、または一部に基づいて裁定を行った場合、そのプレーヤーに誤所からプレーしたことに対して遡って罰を課すべきではありません。しかし、レフェリーに話をする前のプレーヤーの行動が規則に違反していた場合は、遡ってプレーヤーに罰が課せられます。 例えば、プレーヤーがラフの中に止まっている自分の球がストロークの前に動いたのを見ていて、自分が動かした原因になっているとは思いませんでした。プレーヤーはその後にレフェリーに、球が動く前にその球の近くの草に触れたとは思わないと話をしました。その情報に基づいて、レフェリーは球を罰なしにあるがままにプレーするように裁定しました。そのラウンドの後半で、ビデオの証拠によりプレーヤーが球のすぐ近くの草に触れていて球を動かす原因となっていたことが明らかになりました。そうであれば、プレーヤーは1罰打を加え、次のストロークをする前にその球をリプレースするべきでした。この状況では、委員会は、球を動かす原因となったことに対してそのホールのプレーヤーのスコアに1罰打を遡って加えるべきです。しかし、プレーヤーはレフェリーが裁定するのを援助するために最善を尽くしていたので、誤所からプレーしたことに対する罰は課せられません。 類似の例は、プレーヤーがプレーの準備をしている間にストロークに影響を及ぼす状態を改善した場合(例えば、パッティンググリーンの縁を歩いているときに、知らずにプレーの線上にある小さく盛られた砂を踏んで押し付けた場合)です。プレーヤーの行動を完全には見ていなかった、すぐ近くにいたレフェリーがプレーヤーが自分のライを改善していたかもしれないことに懸念を持ちました。そのプレーヤーに何をしたのか質問したところ、プレーヤーはプレーの線を跨いだと思うと発言しました。この情報に基づいてレフェリーは罰なしと裁定をしました。その後で、そのプレーヤーは自分のライン上を歩き、その際に砂を踏みつけてプレーの線を改善していたことが分かりました。そのプレーヤーはレフェリーに正しい情報を提供するために最善を尽くしましたが、その行動はレフェリーとの会話をした時点ではすでに起きていたことであるので、委員会は裁定を訂正し、そのホールでプレーヤーは一般の罰を受けるとの裁定を遡ってするべきです。
(6)
事実問題を解決する方法
事実問題の解決はレフェリーや委員会に求められる最も困難な行為です。
  • 事実問題に関わるすべての状況において、疑念の解決は、当てはまる場合にはその時点で入手できる情報に基づいて行われるべきです。委員会が納得いくまでその事実を決定することができない場合、その委員会は合理的で、フェアで、規則が扱っている類似の状況と一貫性を持った方法でその状況を扱うべきです。
  • 関与するプレーヤーたちの証言は重要であり、そうした証言を十分に考慮すべきです。プレーヤーたちの証言を評価したり、そうした証言の重さを量るための決められた手続きはなく、各状況はその真価に基づいて扱われるべきです。適切な措置は各ケースの状況次第であり、レフェリーや委員会の判断に委ねられるべきです。 プレーヤーと他のプレーヤーの証言が対立しており、証拠の重さがどちらのプレーヤーにも有利ではないような規則に関する疑念がある場合、疑わしい点はそのストロークを行ったプレーヤー、またはそのスコアに関係のあるプレーヤーに有利に裁定すべきです。
  • 観客を含め、その競技会の一部ではない人の証言も考慮して評価すべきです。映像による証拠を使う場合には肉眼基準が適用されるものの、疑念を解決する支援のためにテレビ映像などを使うことも妥当なことです(規則 20.2c参照)。
  • プレーヤーが規則に基づいて箇所、点、線、区域、あるいは場所を決めることを要求されていた場合、委員会はそのプレーヤーがその決定において合理的な判断をしていたかどうかを決めるべきです。合理的な判断をしていたのであれば、ストロークを行った後になってその決定が誤っていたことが分かったとしても、その決定は受け入れられることになります(規則1.3b(2)参照)。
  • 事実問題はできるだけ速やかに解決することが重要です。したがって、レフェリーは集められた証拠を適時に評価することについて制限されるでしょう。しかし、当初の裁定を行った後に追加の証拠が得られる場合、そのような裁定はレフェリーや委員会が再審理することができます。
レフェリーが判断を行った場合、それがゴルフ規則の解釈であるか事実問題の解決であるかどうかにかかわらず、プレーヤーはその裁定に基づいて処置することができます。裁定が間違っていたことが分かった場合、委員会は訂正する権限を持つことができます(規則20.2dセクション6C(9)6C(10)を参照)。かしながら、すべての状況において(マッチプレーとストロークプレーの両方を含め)、レフェリーや委員会が規則20.2dに収録されているガイダンスによって訂正することができることは限定されます。
(7)
マッチの正しい状態が決められない
2人のプレーヤーがマッチを終えたものの、その結果について同意しない場合、そのプレーヤーたちはその問題を委員会に照会すべきです。 委員会は利用できるすべての情報を集め、そのマッチの真実の状態を:決定することを試みるべきです。委員会がそのマッチの真実の状態を決めることができない場合、委員会はその状況を最もフェアな方法で解決すべきであり、それは可能であればそのマッチを再プレーさせるという裁定となるでしょう。
(8)
プレーヤーが適用しない規則に基づいて処置した場合の裁定への対処
プレーヤーがその状況では適用されない規則に基づいて処置してからストロークした場合、委員会はそのプレーヤーの行動に基づいて裁定を行うために適用する規則を決める責任があります。 例えば:
  • プレーヤーは規則16.1bに基づいて境界物から離れた場所に救済を受けました。そのプレーヤーは適用できない規則に基づいて処置したことになります。規則19.1(アンプレヤブルの球)は、プレーヤーに救済を受ける前にこの規則に基づいて処置することを決めておくことを求めていますので、委員会はそのプレーヤーの行動に規則19を適用することはできません。そうした状況でプレーヤーに自分の球を拾い上げることを認める規則はありませんでしたので、規則9.4が適用となり、そのプレーヤーを罰から救う例外は何一つなかったと委員会は決めるべきです。
  • プレーヤーはペナルティーエリア内で自分の球をアンプレヤブルと決定し、規則19.2のbまたはcの選択肢の処置に従って球をドロップし、そのペナルティーエリアからプレーしました。規則17.1はペナルティーエリア内で救済を受けて球を拾い上げることをプレーヤーに認める唯一の規則なので規則17が適用となり、その規則に従って裁定すると委員会は決めるべきです。その結果、そのプレーヤーは誤所からプレーしたとみなされます(規則14.7参照)。加えて、規則17.1に基づき1打の罰を受けます。
  • プレーヤーの球は一時的な水の中にありましたが、そのプレーヤーはその場所をペナルティーエリアと勘違いしていました。そのプレーヤーは規則17.1d(2)の処置に従って球をドロップしてプレーしました。規則16.1bはその状況で救済を受けて球を拾い上げることをプレーヤーに認める唯一の規則なので規則16.1bが適用となり、その規則に従って裁定すると委員会は決めるべきです。その結果、そのプレーヤーは規則16.1bの要件を満たす区域に球をドロップして、その区域からプレーしなかったと仮定すると、そのプレーヤーは誤所からプレーしたとみなされます(規則14.7参照)。
  • プレーヤーは自分の元の球の場所は分かりませんでしたが、「分かっている、または事実上確実」ではないのに、その球が修理地の中にあると思い込みました。そのプレーヤーは規則16.1e規則16.1bに基づいて別の球をドロップしてプレーしました。そのプレーヤーは自分の元の球の場所が分からなかったので、そうした状況では規則18.1がその規則に基づきプレーヤーが処置することができた唯一の規則でした。したがって、規則18.1が適用となり、その規則に従って裁定すると委員会は決めるべきです。その結果、そのプレーヤーはストロークと距離に基づいて球をインプレーにして、誤所からプレーしたとみなされます(規則14.7参照)。加えて、規則18.1に基づきストロークと距離の罰を受けます。
(9)
マッチプレーの誤った裁定への対処
規則20.2aに基づき、プレーヤーはレフェリーの裁定に上訴する権利を持ちません。しかし、レフェリーや委員会による裁定が誤っていたことが後になって発覚した場合、規則に基づいて可能であるならばその裁定を訂正すべきです(規則20.2d参照)。このセクションではマッチプレーの間違った裁定をいつ訂正すべきかを明確にしています。 a. マッチのプレー中にレフェリーによる間違った裁定を訂正すること
  • レフェリーはホールでどちらかのプレーヤーが次のストロークを行った後に間違った裁定を訂正すべきではありません。しかし、プレーヤーを失格とすべきであったのにそうしなかった場合、その裁定はプレーヤーが次のマッチをスタートする前、または競技の結果が最終となる前であればいつでも訂正することができます(しかし、規則1.2または規則1.3b(1)に基づいてプレーヤーを失格とすることについての時限はありません)。
  • 裁定が行われた後にホールでストロークが行われなかった場合、レフェリーはどちらかのプレーヤーが次のティーイングエリアからストロークを行ったのであれば間違った裁定を訂正すべきではありません。
  • 上記の箇条書き以外の場合、レフェリーによる間違った裁定は訂正すべきです。
  • 間違った裁定を訂正できる状況で、その間違った裁定によって1人または複数人のプレーヤーが自分の球を拾い上げていた場合、レフェリーはそのプレーヤーに自分の球をリプレースして、正しい裁定を適用してそのホールを終えるように指示する責任があります。
  • 上記の原則は、レフェリーがホールの結果を勘違いしたことにより規則違反についてプレーヤーに罰を与えなかった場合にも適用されます。
    • 例えば、レフェリーはそのプレーヤーがすでにそのホールの負けとなっていたと考えたために、プレーのペースの方針の違反のホールの負けの罰を告げませんでした。次のホールで、レフェリーはそのプレーヤーがホールの負けではなかったことを知りました。そのプレーヤーか相手が次のホールのティーイングエリアからストロークを行っていた場合、レフェリーはもはやその誤りを訂正することはできません。
b. マッチの結果が最終となる前に、マッチの最後のホールでの間違った裁定の訂正 レフェリーがマッチの最後のホールで間違った裁定をしたが、更なるストロークが行われていない場合、そのマッチの結果が最終となるまでの間であればいつでもその誤りを訂正すべきです。あるいは、そのマッチがタイでエキストラホールへ進む場合、どちらかのプレーヤーが次のティーイングエリアからストロークを行うまではその誤りを訂正すべきです。 c. マッチでレフェリーによる間違った裁定によってプレーヤーが誤所からプレーする結果となった マッチプレーでプレーヤーがレフェリーによる裁定に基づいて処置したことで、誤所から球をストロークして、委員会がその後その間違った裁定に気づいた場合、次の原則が適用されます:
  • 重大な違反がなく、誤所からプレーしたことによってそのプレーヤーが著しい不利益を受けていない場合、そのプレーヤーが誤所からストロークを行った後ではその間違った裁定を訂正するには遅すぎます。間違った裁定の後で行ったストロークは成立し、誤所からプレーしたことについての罰はありません。
  • 重大な違反があったり、誤所からプレーしたことによってそのプレーヤーが著しい不利益を受けた場合:
    • 相手が関連するホールで次のストロークをまだ行っていない場合、委員会はその裁定を訂正するべきです。
    • 相手がその裁定が与えられた後にそのホールの次のストロークをまだ行っていない場合、どちらのプレーヤーも次のティーイングエリアからストロークを行っていない、あるいは最終ホールでは、そのマッチの結果がまだ最終となっていなければ、委員会はその裁定を訂正するべきです。
    • 裁定を訂正するには遅すぎる場合、間違った裁定の後に行われたストロークは罰なしに成立します。
(10)
ストロークプレーの間違った裁定への対処
プレーヤーはレフェリーの裁定に上訴する権利を持ちません(規則20.2a参照)。しかし、レフェリーや委員会による裁定が誤っていたことが後になって発覚した場合、規則に基づいて可能であるならばその裁定を訂正すべきです(規則20.2d参照)。このセクションではストロークプレーの間違った裁定をいつ訂正すべきかを明確にしています。 a. ストロークプレーのレフェリーによる間違った裁定の訂正 その競技がまだ終了していないことを条件に、可能であればレフェリーは罰の間違った適用や罰の適用をしなかったことに関連するストロークプレーの間違った裁定を訂正すべきです(規則20.2e参照)。 b. ストロークプレーでプレーヤーにストロークをカウントしないと間違って告げる ストロークプレーでレフェリーがプレーヤーにそのプレーヤーのストロークはカウントせず、罰なしに再プレーするようにと間違って告げた。プレーヤーが一旦そのストロークを再プレーすると、その裁定は成立し(そのストロークをレフェリーが取り消したことを含め)、再プレーしたそのプレーヤーのスコアがそのホールのそのプレーヤーのスコアとなります。 c. ストロークプレーで間違った裁定によってプレーヤーが誤所からプレーした;誤りが発覚した場合の措置ストロークプレーで、プレーヤーがレフェリーによる裁定に基づいて処置した ところ、そのプレーヤーが誤所からストロークを行い、委員会がその後で間違った裁定に気づいた場合、次の原則が適用されます:
  • 重大な違反があったり、誤所からプレーしたことによってそのプレーヤーが著しい不利益を受けた場合:
    • プレーヤーが別のホールを始めるためのストロークを行っていなければ(そのラウンドの最終ホールではスコアカードを提出する前であれば)、委員会はその裁定を訂正するべきです。委員会はそのプレーヤーに誤所から行われたストロークとその後のすべてのストロークを取り消して正しく処置するようにするように指示すべきです。そのプレーヤーは誤所からプレーしたことについて罰を受けません。そのプレーヤーは誤所からプレーしたことについて罰を受けません。
    • 裁定を訂正するには遅すぎる場合、間違った裁定の後に行われたストロークは罰なしに成立します。
d. レフェリーがプレーヤーに間違った情報を与える;プレーヤーがその後のプレーでその情報に基づき行動する レフェリーがプレーヤーに規則について間違った情報を与えた場合、そのプレーヤーはその後のプレーでそうした情報に基づいて行動することができます。 その結果として、与えられた間違った情報に従って処置したことにより、そのプレーヤーが規則に基づく罰を受けることになる場合には、委員会はそのプレーヤーがその情報に基づいて行動できる期間と適切なスコアの両方についての判断を行う必要があるでしょう。 そうした状況では、委員会はこの問題を最もフェアと思われる方法で、すべての事実に照らして、不当な利益や不利益を受けるプレーヤーを出さないという観点から解決すべきです。その間違った情報がその競技の結果に著しく影響を及ぼすような場合、委員会にはそのラウンドを取り消す以外の選択肢はありません。次の原則が適用できます:
  • 規則についての一般的なガイダンス
委員会のメンバーやレフェリーが規則についての一般的なガイダンスの範囲内で間違った情報を与えた場合、プレーヤーは罰を免除されるべきではありません。 例えば、プレーヤーが、レフェリーに今後の参考のために、ジェネラルエリアの球の周辺の砂を取り除くことができるかどうかを尋ねた。そのレフェリーは誤って、プレーヤーにそうすることが許されると教えた。その質問は特定の状況には関連しなかったので、プレーヤーがそのラウンドの後半でその規則に違反した場合、罰は免除されません。
  • 特定の裁定
レフェリーが間違った裁定を行った場合、そのプレーヤーは罰を免除されます。委員会はプレーヤーがその競技の早い段階でレフェリーが教えた方法と全く同じ方法を用いて自分で間違った処置をする状況となっているその競技が終わるまで、その罰なしの期間を延長するべきです。しかしながら、その競技中に、そのプレーヤーが適切な処置に気づいたり、そのプレーヤーの行動が問題となった場合、その免除は終了します。 例えば、プレーヤーがレフェリーにレッドペナルティーエリアからの救済を受けるときの支援を求め、そのレフェリーが間違ってそのプレーヤーにスタンスがペナルティーエリアの中となるので再ドロップするように告げました。そのプレーヤーがそのラウンドの後半で、または同じ競技の次のラウンド中にレッドペナルティーエリアからの救済を受けるときに同じ理由(スタンスがペナルティーエリアの中となる)で再ドロップした場合、委員会は誤所からプレーしたことについてそのプレーヤーに罰を課すべきではありません。
  • ローカルルールや競技の条件についてのガイダンス
委員会のメンバーやレフェリーがローカルルールや競技の条件が施行されているかどうかについて間違った情報を与えた場合、そのプレーヤーはその情報に基づき行動したことについて罰を免除されます。この罰の免除は、そのラウンドの早い段階で訂正される場合(そのケースでは、罰の免除は訂正が行われた時点で終わる)を除き、その競技の終わりまで適用されます。 例えば、距離計測器の使用を禁止するローカルルールが施行されていたにもかかわらず、プレーヤーがレフェリーに「距離計測器が認められる」と告げられた場合、そのプレーヤーはその競技中に距離計測機器を使用することについて罰を受けません。しかしながら、委員会がその間違った裁定に気づいたならば、そのプレーヤーにできるだけ早くその誤りを通知するべきです。
  • 用具の裁定
委員会のメンバーやレフェリーが不適合クラブを適合クラブと裁定した場合、そのプレーヤーはそのクラブを使うことについての罰を免除されます。この罰の免除は、早い段階で訂正される場合(そのケースでは、罰の免除は訂正が行われたラウンドが終了した時点で終わる)を除き、その競技の終わりまで適用されます。 e. プレーヤーがレフェリーの指示を誤解したことにより権限なしで球を拾い上げる プレーヤーがレフェリーの指示をやむを得ない理由により誤解した結果として、球を拾い上げることが認められていないのに自分の球を拾い上げた場合、罰はなく、そのプレーヤーが別の規則に基づいて処置する場合を除き、その球をリプレースしなければなりません。 例えば、プレーヤーの球が動かせる障害物に寄り掛かって止まっていて、そのプレーヤーは救済を求めました。レフェリーは「規則15.2に基づいてその障害物を取り除くことができ、その障害物を取り除く間に球が動く場合に備えてその球の箇所をマークしておくべき」とそのプレーヤーに正しく告げました。そのプレーヤーはその球の位置をマークして、レフェリーが止める間もなくその球を拾い上げました。 通常、そのプレーヤーは認められていないのに自分の球を拾い上げたことについて規則9.4に基づき1打の罰を受けますが、プレーヤーが指示を誤解したことについてそのレフェリーが納得することを条件に、その球は罰なしにリプレースされます。 f. プレーヤーがレフェリーから暫定球のプレーを続けるようにと間違って告げられる プレーヤーはティーイングエリアから暫定球をプレーする理由があり、暫定球をプレーしましたが、自分の元の球をペナルティーエリアの中で見つけました。その後、そのプレーヤーはレフェリーから「暫定球でのプレーを続けなければならず、その暫定球でそのホールを終了しなければならない」と間違って告げられました。その暫定球はプレーヤーが規則18.3cに基づいて放棄しなければならない誤球でしたが、そのプレーヤーはその暫定球をプレーしたことについて罰を受けません。 委員会がその誤った裁定について気づいた場合、そのプレーヤーのそのホールのスコアは元の球でのティーショットに加え、間違った裁定の後にそのホールを終えるためにそのプレーヤーが要したその暫定球でのストローク(その暫定球への2打目をそのホールでの2打目とする)と裁定すべきです。しかしながら、そのペナルティーエリアからプレーヤーが元の球をプレーすることが明らかに合理的ではなかった場合、そのプレーヤーはそのホールのスコアに規則17.1に基づく1罰打を加えるべきです。 g. プレーヤーが規則20.1c(3)に基づいて2つの球をプレーした場合に委員会は間違った裁定をした;どのような場合に裁定を訂正できるのか ストロークプレーで、プレーヤーは規則20.1c(3)に基づき2つの球をプレーし、その事実を委員会に報告したところ、委員会はそのプレーヤーに間違った球でのスコアを採用するように告げました。そうした誤りは間違った裁定であり、運営上の誤りではありません。したがって、規則20.2dが適用となり、解決策は委員会がその間違った裁定にいつ気づいたのかによります:
  • 競技が終了する前に委員会がその間違った裁定に気づいた場合、その委員会は問題となっているホールのスコアを正しい球でのスコアに変更することによってその間違った裁定を訂正すべきです。
  • 競技が終了した後で委員会がその間違った裁定に気づいた場合、間違った球でのスコアが問題となっているホールのそのプレーヤーのスコアのままとなります。規則20.2dに基づき、競技が終了してしまったのであればそうした間違った裁定が最終となります。
h. 失格の罰を競技会の優勝者に誤って適用;他の2人のプレーヤーによる優勝者を決めるプレーオフの後で誤りが発覚 委員会の間違った裁定の結果として、競技会の正当な優勝者が失格となり、他の2人のプレーヤーが優勝者を決めるプレーオフを行った場合、最善の措置は委員会がいつその誤りに気づいたのかによります。競技の結果が最終となる前に委員会が自分たちの間違った裁定に気づいた場合、その委員会は失格の罰を取り消し、そのプレーヤーを優勝者と宣言することによってその間違った裁定を訂正すべきです。競技の結果が最終となった後に委員会が間違った裁定に気づいた場合、そのプレーヤーを失格としたままでその成績は成立します。 i. 優勝者を決めるためにすべてのスコアを使わない競技会での失格の罰の適用 複数のラウンドから成るストロークプレーティーム競技ですべてのプレーヤーのスコアをラウンドごとのティームスコアに採用しない場合、失格となったラウンドのプレーヤーのスコアはそのラウンドのティームスコアにはカウントできませんが、他のラウンドではそのプレーヤーのスコアを採用できます。例えば、ティームメンバー3人のうち2人のスコアをカウントする場合、プレーヤーが4ラウンドをプレーするときの第1ラウンドで失格となった場合、その失格は第1ラウンドだけに適用となり、そのプレーヤーの残りのラウンドのスコアはティームスコアに採用することができます。 このことは優勝者を決めるためにすべてのスコアが使われないすべての競技会に適用されます(例えば、4ラウンドのうちベスト3ラウンドのプレーヤーのスコアをカウントする個人競技)。 プレーヤーが規則1.3bや委員会の行動規範の違反について失格となる場合、そのラウンドだけ失格とするのか、あるいは競技全体で失格とするのかは委員会の決定事項です。
(11)
マッチプレーとストロークプレーを混合する
マッチプレーとストロークプレーは特定の規則について実質的に異なるので、この2つのプレー形式を混合することは推奨されません。しかし、プレーヤーがこの2つのプレー形式を混合することを要求したり、自分たちで混合させてしまって裁定を要請する場合、委員会はプレーヤーを支援するために最善を尽くすべきです。 a. プレーヤーがマッチプレーとストロークプレーを混合することを要求する場合 委員会がプレーヤーにストロークプレー競技に参加している間にマッチをプレーすることを認める場合、ストロークプレーの規則が適用されることをプレーヤーに告げるべきです。例えば、コンシードは一切認められず、一方のプレーヤーが順番を間違ってプレーしても、その相手にはそのストロークを再プレーさせる選択肢はありません。 b. マッチプレーとストロークプレーを混合してプレーしているプレーヤーが裁定を要請する場合 プレーヤーがマッチプレーとストロークプレーを混合してプレーしているときに裁定を要請した場合、委員会はゴルフ規則について、各マッチプレーに適用される規則と各ストロークプレーに適用される規則を可能であれば適用すべきです。例えば、プレーヤーがその理由にかかわらずあるホールをホールアウトしなかった場合、そのプレーヤーはストロークプレー競技では規則3.3cの違反について失格となります。しかし、ステーブルフォード、最大スコア、パー/ボギーでは規則21.1c規則21.2c、そして規則21.3cをそれぞれ参照してください。
D

プレーのペースを施行する

競技会にプレーのペースの方針が施行されている場合、委員会はプレーヤーがこの方針を忠実に守るようにこの方針を理解し、積極的に施行することが重要です。 方針のさらなる情報や例はローカルルールひな型セクション8Kを参照してください。
E

中断と再開

(1)
プレーの即時中断と通常の中断
委員会が命令することができるプレーの中断には2種類あり、プレーヤーがいつプレーを止めなければならないのかについてそれぞれに異なる要件があります(規則5.7b参照)。
  • 即時中断(差し迫った危険がある場合など)。委員会がプレーの即時中断を宣言した場合、すべてのプレーヤーは直ちにプレーを止めなければならず、委員会がプレーを再開するまでは別のストロークを行ってはなりません。
  • 通常の中断(日没やコースがプレー不能など)。委員会が通常の理由でプレーを中断した場合、次に何を行うかは組がホールとホールの間にいるのか、ホールのプレー中なのかによります。
委員会は即時中断を知らせる際に、通常の中断で使う信号とは異なる信号の伝達方法を使うべきです。使用する信号はローカルルールでプレーヤーに伝えておくべきでしょう。 ローカルルールひな型J-1-プレーの中断と再開の方法を参照してください。 プレーを中断する場合、委員会はプレーヤーたちをコース上の適切な場所に留めるべきか、クラブハウスに引き上げさせるべきかを判断する必要があるでしょう。 中断が即時中断であるか通常の中断であるかどうかにかかわらず、委員会は再開できるようになったならばプレーを再開すべきです。プレーヤーは中断した場所からプレーを再開することになります(規則5.7c参照)。
(2)
いつプレーの中断と再開をするかの決定
いつプレーを中断し、その後でいつ再開するのかの決定は委員会にとって難しい判断となることがあります。委員会は次のガイドラインを考慮に入れるべきでしょう: a. 雷 委員会は雷の危険があるのかどうかを決定するために利用できるあらゆる手段を用いて、委員会として適切と考える行動を取るべきです。プレーヤーも自分自身で雷の危険があると考える場合にはプレーを中断することができます(規則5.7a参照)。 委員会が雷の危険は去ったと結論づけてプレーの再開を命じた場合、プレーヤーはプレーを再開しなければなりません。プレーヤーが雷の危険がまだあると感じるという理由でスタートすることを拒む場合にどうすべきかについては詳説5.7c/1を参照してください。 b. 視界 ランディングエリアがもはやプレーヤーからは見えない場合(例えば、霧や日没により)、プレーを中断するべきと考えることを推奨します。同様に、視界が悪いせいでプレーヤーがパッティンググリーン上でラインを読むことができない場合、プレーを中断するべきです。 c. 一時的な水 ホール周辺がすべて一時的な水に覆われてしまい、除去することができない場合、ストロークプレーではコースはアンプレヤブル(プレー不能)とみなされるべきで、委員会は規則5.7に基づいてプレーを中断すべきです。 マッチプレーでは、ホール周辺の一時的な水を除去することができない場合、委員会はプレーを中断するか、ホールを再配置することができます。 d. 風 パッティンググリーン上で風によっていくつかの球(例えば、3つ以上)が動かされたということはプレーを中断する理由となるでしょうが、ほんの1つや2つの球がひとつのグリーン上で風によって動かされたというだけでは、多くの場合に委員会がプレーを中断する動機にはならないでしょう。パッティンググリーン上では、プレーヤーが罰を受けることを避ける支援となる規則が施行されていますし、球が風で飛ばされてホールに近づけば有利となり、球が風で飛ばされてホールから遠くなれば不利益となります(規則9.3規則13.1参照)。 委員会は球が動く実例がいくつかあり、プレーヤーがその球を風で飛ばされる前の箇所にリプレースすること、あるいは少なくとも球が元の箇所に止まらない場合にその元の箇所に近いところに球を合理的にリプレースすることに問題を抱えているという場合にだけ、風を理由としてプレーを中断することを考えるべきです。
(3)
プレーの再開
中断の後でプレーを再開する場合、プレーヤーは自分が中断した場所からプレーを再開することになります(規則5.7d参照)。 委員会は次のことを考慮して再開の準備をすべきです:
  • プレーヤーがコースから避難していた場合、プレーの再開前にプレーヤーにウォームアップする時間を与えるべきかどうか。
  • 中断中に練習区域がクローズとなっていた場合、プレーの準備のための十分な時間をプレーヤーに与えるためにいつ練習区域を再オープンさせるべきか。
  • プレーヤーをコース上の所定の位置に戻す方法。
  • プレーを再開する前にすべてのプレーヤーが所定の位置に戻っていることを確認する方法。そのことは委員会のメンバーを所定の位置に配置し、すべてのプレーヤーがコースに戻ったことを見届け、報告することを含むでしょう。
(4)
ラウンドを取り消すかどうか
a. マッチプレー マッチの両方のプレーヤーは同じコンディションでプレーしており、一方が他方に対して有利となることはないので、プレーが始まったのであればマッチを取り消すべきではありません。 プレーヤーが規則5.7aで認められている同意によって、あるいは委員会がプレーを中断すべきコンディションと考えてプレーを中断した場合、そのマッチは中断した場所から再開すべきです。 ティーム競技では、一部のマッチが終了している一方で、他のマッチが日没や天候のせいで予定された日に終了しない場合、終了したマッチと終了していないマッチの取り扱いを競技の条件で明確にしておくべきです(セクション5A(4)参照)。例えば:
  • 終了したマッチの結果はプレーされた通り成立し、終了していないマッチは後日続けられる、あるいは再プレーされる。
  • すべてのマッチは再プレーされ、各ティームは当初のティーム編成を自由に変更できる。
  • 予定通りに終了することができなかったすべてのマッチをタイ(ハーフ)とみなす。
b. ストロークプレー ストロークプレーでは、委員会がどのような場合にラウンドをキャンセルすべきかについて決められたガイダンスはありません。適切な措置は各ケースの状況次第であり、レフェリーや委員会の判断に委ねられます。 ラウンドを取り消さないと非常にアンフェアとなるケースの場合にだけラウンドを取り消すべきです。例えば、極めて劣悪な天候状況の中で少人数のプレーヤーがラウンドを始めたものの、コンディションはその後も悪化し、その日の残りのプレーは不可能であったが、プレーの再開をするその翌日の天候が著しく改善する可能性がある場合はラウンドを取り消すことが合理的でしょう。 ラウンドを取り消す場合、そのラウンドでのすべてのスコアと罰が取り消されます。通常、それには失格の罰を含みますが、プレーヤーが重大な非行(規則1.2参照)や行動規範の違反について失格となる場合、その失格は取り消されるべきではありません。
(5)
天候状況を理由にプレーヤーがスタートするのを拒んだり、プレーを中断する
悪天候のせいで、プレーヤーが委員会の定めた時間にスタートすることを拒んだり、ラウンド中にプレーを中断して、その後で委員会がそのラウンドを取り消した場合、取り消されたラウンドにおけるすべての罰は取り消されるので、そのプレーヤーが罰を受けることはありません。
(6)
パッティンググリーンから一時的な水やルースインペディメントを除去する
ラウンド中に一時的な水、砂、葉っぱ、あるいは他のルースインペディメントがパッティンググリーン上に堆積する場合、委員会はその状態をなくすために必要なことをすることができます(例えば、スクイージーを使ったり、パッティンググリーンをブラッシングしたり、ブロワーをかけたりすることにより)。そうした行動を取るために委員会はプレーを中断する必要はありません。 しかしながら、プレーヤーが委員会の許可なしにプレーの線上の一時的な水を除去する場合、そのプレーヤーは規則8.1の違反となります。しかしながら、プレーヤーが委員会の許可なしにプレーの線上の一時的な水を除去する場合、そのプレーヤーは規則8.1の違反となります。 委員会はパッティンググリーン上の一時的な水を除去するためにどのような行動が委員会のメンバー、委員会が指名した人(例えば、コース管理スタッフの一員)、あるいはプレーヤーにとって適切と考えられるのかを明確にする方針を採用することができます。 ローカルルールひな型J-2:スクイージーでパッティンググリーン上の一時的な水を除去することを認めるためのローカルルールひな型を参照してください。
(7)
コースがクローズしていることを知らずにマッチを始める
コースがクローズしていることを知らずにプレーヤーたちがマッチを始め、委員会がその後になってその行動に気づいた場合、クローズのコースでのプレーは無効となるので、そのマッチを完全に再プレーさせるべきです。
F

スコアリング

(1)
マッチプレー
マッチの結果を委員会が指定した場所に報告することは通常プレーヤーの責任です。レフェリーがマッチに割り当てられている場合、プレーヤーの代わりにその責務をそのレフェリーに与えることができます。 プレーヤーが解決していないラウンド中の裁定を要請した場合、委員会はその要請が規則20.1b(2)の要件を満たしているかどうかを決めてから裁定を行うべきです。そうした裁定の要請の結果、プレーヤーたちはマッチを続けるためにコースに戻る必要がある場合もあります。 マッチの結果が報告されたならばその結果は最終とみなされ、規則20.1b(3)の要件を満たす場合を除き、裁定の要請は受け付けられません。
(2)
ストロークプレー
ストロークプレーでは、プレーヤーには委員会が明確にする必要がある問題を解決し(規則14.7b規則20.1c(4)参照)、自分のスコアカードを確認し、誤りを訂正する機会が与えられるべきです。スコアカードに誤りがあった場合、プレーヤーはスコアカードを提出するまでは自分のスコアカードを変更すること、あるいはその変更を承認してもらうことをマーカーや委員会に依頼できます(規則3.3b(2)参照)。 スコアカードが提出されたならば、委員会はそのスコアカードにプレーヤーの名前、必要な署名、正しいホール・バイ・ホールのスコアが記載されていることを確認すべきです。委員会はプレーヤーのスコアを加算し、ネット競技の場合はプレーヤーのハンディキャップストロークを計算し、それをそのプレーヤーのネットスコアの計算のために適用するべきです。 ストロークプレーの他の形式(ステーブルフォードやパー/ボギー、フォアボール競技など)では、委員会はプレーヤーやサイドの最終成績を決定するべきです。例えば、ステーブルフォード競技では、委員会はプレーヤーが獲得した各ホールのポイントやそのラウンドの合計ポイントを決定する責任があります。
G

予選カットを行い、新しい組み合わせを作成する

(1)
予選カットを行い、新しい組み合わせを作成する
複数のラウンドをプレーする競技会について、競技の条件で次のことを規定することができます:
  • プレーヤーのその時点の合計スコアに基づき、その後のラウンドのための組替えを行う。
  • 参加者数は決勝ラウンド(または複数の決勝ラウンド)で減じられる(しばしば「カット」と呼ばれる)。
両方のケースで、委員会は新しい組み合わせを作成して発表すべきです。スコアの多いプレーヤーたちが先にティーオフし、スコアの少ないプレーヤーたちが最後にティーオフすることが慣習となっています(委員会はこの順番を変えることができます)。 委員会は同じ合計スコアで終えたプレーヤーたちを組み合わせる方法を選ぶことができます。例えば、委員会は特定のスコアを最初に提出したプレーヤーは、その後に同じスコアでラウンドを終えたプレーヤーよりも遅いスタート時間となると決めることができます。 その後のラウンドで2つのティーが使われる場合(例えば、参加者の半分は1番ホールからスタートし、残りの半分は10番ホールからスタートする)、委員会はスコアの多いプレーヤーたちは一方のティー(10番ティーなど)から最後にティーオフして、スコアの少ないプレーヤーたちはもう一方のティー(1番ティーなど)から最後にティーオフするというように組み合わせを作成すると決めることができます。このことは参加者の中で真ん中の順位にいるプレーヤーたちは各ティーから最初にプレーすることになります。このことは参加者の中で真ん中の順位にいるプレーヤーたちは各ティーから最初にプレーすることになります。 規則3.3b(3)の例外に基づく罰の適用がカットラインやすでに作成された対戦表(ドロー)にどのような影響を与えるべきかについての詳細はRandA.orgで入手できます。
(2)
マッチプレーの棄権や失格への対処
マッチプレーで、プレーヤーが自分の最初のマッチをスタートする前に競技会から棄権したり、失格となった場合で、委員会が競技の条件でそうした状況に対処する方法を明記していなかった場合、その委員会の選択肢は次の通りです:
  • そのプレーヤーの次の相手を不戦勝と宣言する。
  • プレーヤーがマッチの1回戦の前に棄権した場合:
    • 時間が許せば、新しいマッチの対戦表(ドロー)を作成する。
    • 補欠や予備の選手リストからプレーヤーを繰り上げ、その棄権したプレーヤーと交代させる。
    • プレーヤーがマッチプレー競技へのストロークプレーの予選会を通過してきた場合、プレーヤーが棄権したことで新たに最終予選通過者となったプレーヤーをその棄権したプレーヤーと交代させる。
  • プレーヤーが自分の1回戦やそれ以降のマッチの後で棄権したり、失格となった場合、委員会は次のことができます:
    • そのプレーヤーの次の相手を不戦勝と宣言する。
    • マッチプレーでそのプレーヤーに敗退したすべてのプレーヤーにその棄権したプレーヤーの代わりとなるためのプレーオフをプレーすることを要求する。
マッチプレーの決勝進出者が両者共に失格となった場合、委員会はその競技会を優勝者なしで終了すると決めることができます。その代わりとして、委員会は準決勝で敗退した2名にその競技の優勝者を決めるためのマッチをプレーさせることを選ぶことができるでしょう。 マッチプレー競技でプレーヤーが失格となる場合、そのプレーヤーはその競技会ですでに獲得していた賞を受ける権利があります(例えば、ストロークプレーの予選競技でのメダリスト賞)。
(3)
ストロークプレーの棄権や失格への対処
プレーヤーがストロークプレー競技の最初のラウンドの前に棄権したり、失格となる場合(例えば、スタート時間に遅れたことで)、委員会は現在参加者に含まれていない別のプレーヤー(多くの場合、「補欠や予備」と呼ばれる)がいる場合には、そのプレーヤーと交代させることができます。そのプレーヤーが自分の最初のラウンドをすでにスタートしていた場合、その後に棄権したからといって別のプレーヤーに交代させるべきではありません。
(4)
マッチプレーへの予選
ストロークプレーの予選がマッチプレーの対戦表(ドロー)を決めるために使われる場合、委員会はその対戦表(ドロー)の様々な順位のためのタイの割り振りを無作為に決めることや、スコアカードカウントバック(マッチングスコアカード)を使って決めることや、プレーオフで決めることができます。その方法は競技の条件に明記しておくべきです。
(5)
ハンディキャップの適用の間違いがマッチプレーの対戦表(ドロー)に影響した場合
マッチプレー競技のためのストロークプレーの予選で、委員会がプレーヤーのハンディキャップの計算や適用を間違い、そのことで間違った対戦表(ドロー)となった場合、委員会は可能な限り最もフェアにその問題を扱うべきです。その委員会はその対戦表(ドロー)を修正することや、その誤りによって影響を受けたマッチを取り消すことを検討すべきです。 その誤りがマッチの2回戦が始まった後に発覚した場合、その対戦表(ドロー)を訂正するには遅すぎます。
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セクション1委員会の役割
ゴルフ規則では委員会を「競技またはコースを管理する人、またはグループ」と定義しています。委員会は正しいゴルフのプレーに不可欠です。委員会は日々のコースの運営や特定の競技会について責任があり、常にゴルフ規則を支持するやり方で行動すべきです。ゴルフ規則のオフィシャルガイドのこのパートではそうした役割を履行する際の委員会へのガイダンスを提供しています。 委員会の責務の多くは組織的な競技会を運営することに特有の事柄である一方で、一般的なプレーや日々のプレーでのコースに対する責任も委員会の重要な責務の一部です。
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